ミニコラム


浅草と原付



はりねずみのパジャマ第五回本公演「あえてここでの大決算」ならびに、教室公演寝室vol.4「トランポリンを跳ばないと観ることができない公演」にご来場いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

最近原付が壊れました。家の前に置いておいたらおじいさんが車で激突してぶち壊されたからです。僕はもともと何処へでも原付で行くので、前回の劇場(廃墟でしたが)がある八広へも、原付で行こうと思ってました。しかし、原付がなくなった今電車に乗るしかなかったので、電車に乗りました。文章が下手になるくらい、僕は電車が嫌いです。電車でなんとか通い続けて4日目、僕は少し遅刻してしまい、早めにきているお客さんと電車で会ったら嫌だなぁと思っていました。なぜなら前日の帰り道に、着替えるのが面倒で衣装の作業服のまま帰っていたら駅でリクルートスーツを着た高校の同級生(ギャル)を見てしまい、自分と相手の将来の安定の差が頭をよぎった僕は、走って逃げながら少しだけ涙目になったという経験をしていたからです。練馬から八広へは、乗り換えが4回ありました。3回目の乗り換えである都営浅草線に乗り込んだ時の人の多さに、僕は少し心配になりました。お客さんがいないかキョロキョロしながら電車に乗っていると、僕の心配をよそに、浅草で全員降りて行きました。マジで全員降りて行きました。誰かの親かもしれないと思っていた夫婦も、学校で見たことがある気がする女の子も、カメラを首にさげた外国人も、全員浅草で降りました。残った作業着の僕は、誰もいない八広駅に、一人で降り立ちました。

 僕たちは多分一生雷門には勝てません。風情もないし歴史もないしるるぶには載ってないし、僕らをくぐって進んでも浅草寺には行けないからです。でも、ゴールデンウィークの日曜日に、わざわざ浅草を通り越して、生ゴミの匂いのする廃墟まで、僕らを観に来てくれたお客さんがいるということを、勝手に自信にすることにしました。ほんとにありがとうございます。

こないだ原付をもらいました。めちゃくちゃ嬉しくてどこへ行くにも原付に乗るという僕のアイデンティティの「どこへ行くにも」部分がパワーアップし、新宿にも原付で行ったのですが、あの新宿という街のデカさに対して、原付を停められる駐車場が3つしかなく、全て足しても27台しか停められないという事実を新宿に着いてから知った僕は、半泣きで中野まで戻り、中央線で新宿に行きました。今後僕らが新宿で公演を行なった際には、ルミネとかバスタとかNEWMANとか楽しいもの飛び越えて、原付以外の手段でご来場いただければと思います。繰り返しになりますが、ご来場いただきまして誠にありがとうございました。

蓮見翔



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